【イベント参加レポ】関西で唯一UXを体系的に学べる連続セミナー「UX KANSAI#03」に参加してきた。

2017.08.08

こんにちは。社内では「管理社会の闇」との愛称で親しまれているマネジメント好きの渥美です。さて、今回は8月5日に開催されたUX KANSAI #03 ビジネスインタビュー編に参加してきました。某有名住宅メーカーの方をお招きし、新たなビジネスモデルを提案するまでの一連の流れをサービスデザインの視点で実践してきましたよ!

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サービスデザインってなに?

突然登場した新顔な言葉「サービスデザイン」。ただ、UXを考える上で切っても切り離せない概念なので、僕なりに説明していきたいと思います。
サービスデザインとはUXの上位にある概念で、これまでの「モノ」を交換する=価値(グッズ・ドミナント・ロジック)というビジネスモデルではなく、サービス全体・顧客と事業者との関係性=価値(サービス・ドミナント・ロジック)と捉えます。

単に「モノ」を売り買いする時代=モノのデザインから、現代は顧客の体験をデザインする=サービスデザインの時代に変容しています。経済的に豊かになった日本では「モノ」が溢れたことにより、「モノ」の量や質に価値を見出してきた時代が終わりつつあるということは、誰もが薄々感じているのではないでしょうか。そして、今求められているのはどう「体験」を生み出せるか、デザインできるかという視点です。サービスデザインでは、「ビジネス」の視点でその課題に試みていきます。

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課題:住宅メーカーの新たなビジネスモデルを設計せよ。

住宅メーカーに、今後国内で土地余りが予想される工場跡地や社宅などの立地が不便な場所を活用したビジネスモデルを提案することが課題に設定されました。

ってなわけで、今回のワークショップの流れをざっくりとご紹介。

1、ビジネスインタビューから現状のビジネスモデルを描き出す
2、チームで3年後のビジネスモデルをブレストする
3、3年後のビジネスモデルをキャンバスに描く
4、ビジネスのエコシステムをCVCAで書きあらわす
5、発表

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1、ビジネスインタビューから現状のビジネスモデルを描き出す

住宅メーカーの社員2名を招いて現在のビジネスモデルと今後の展開をヒアリングしました。ビジネスインタビューのポイントは以下。

①ビジネスの視点
・企業のブランド・事業が市場でどのように位置づけられているのか
・何をもって社会に貢献し「尊敬」されているのか

②ユーザーの視点
・顧客の利用シーンの変化に気がついているのか
例)オーディオ機器メーカー:CD→iPod→iPhone7のイヤホンジャック仕様変更

①②について、企業はどのような認識を持っているのかをヒアリングすることは、実はとても難しいんです。受託会社の場合、企業(クライアント)が言うことを全て鵜呑みにしてしまうと、エンドユーザーの求めているものと大きくズレてしまう場合も容易に想像できます。そのため、ビジネスインタビューでは企業の声だけではなく、ユーザーの声もしっかりと聞くことが肝心です。

そういったことが得意なのは、例えばカリスマ美容師さん。お客さんが芸能人の切り抜きを持ってきても、全く同じに切ることはできないですよね。それをお客さんに本当に似合うようにするからカリスマと呼ばれる。自分が思っていることを上手に言語化できる人は、実はとっても少ないです。そのため、言語化していくことからサービスデザインはスタートします。

また、サービスデザインで重要なのは「事業性」、つまりお金がどのように回っていくかというビジネスの視点です。ビジネスとして成立しなければ、価値を提供し続けることができません。事業に携わっていないと、ここの視点が欠けてしまいがちです。僕自身も、小規模な費用感を算出する経験はありますが、「事業性」といえるまでの規模感ではお金のことを意識できていなかったなと気づくことができました。

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2、チームで3年後のビジネスモデルをブレストする
3、3年後のビジネスモデルをキャンバスに描く

住宅メーカーのヒアリングが終わったところで、5人で1つのグループを組んで新しいビジネスモデル構想を練っていく工程に入っていきます。
今回組むチームは、1月までお付き合いするメンバーのため、ちょっと緊張です。せっかくなので1人1人自己紹介をし合いました。僕のチーム(Dチーム)は、設計エンジニア、Webデザイナー、デザイナー、プロダクトデザイナー、Webディレクター(僕)という構成です。個人的には、職域のバランスが取れていてなかなか良い感じだなぁっと内心とてもワクワクしました。

自己紹介も済んだところで、ビジネスモデルのブレストをしつつ、ビジネスモデルキャンバスを作成していきます。

Photo_17-08-08-19-47-59.819.jpg

ビジネスモデルキャンバスとは、以下の①〜⑨を順番に埋めていくとビジネスモデルができあがるというフレームワークです。

①CS:顧客セグメント(当社のお客様は誰か?)
②VP:価値提案(お客様は当社に何を求めているのか?)
③CH:チャネル(そのようなお客様をどうやって見つけるのか?)
④CR:顧客との関係(お客様は当社とどのような付き合い方をしたいのか?)
⑤RS:収益の流れ(お客様はどのような対価を払うのだろうか?)
⑥KR:主なリソース(お客様の求めに応じるために、どんな資源を持っている必要があるか?)
⑦KA:主な活動(お客様の求めに応じ、見つけ、付き合うにはどんな活動をすれば良いのか?)
⑧KP:主なパートナー(これらの目的にために、誰と組む必要があるか?)
⑨CS:コスト構造(どれくらいのコストがかかるだろうか?)

さて、僕の所属するチームDでは、海外経験のある方が2名いたこともあり、①顧客セグメントは「外国人(駐在、留学生、観光客)にすることにしました。また②価値提案では、土地勘の無い外国人が日本で暮らす不安を取り除けるように、2週間程度の短期でお試し入居できるというコンセプトを立てると同時に、住宅メーカー側への価値としては、海外展開を強化しているとの話を聞いたため、日本にいながら外国人へのマーケティングができるという価値提案ができるのではと考えました。③チャネルではエージェントや学校、企業を設定、④顧客との関係として、専用のコンシェルジュ(サポート窓口スタッフ)を配置し長期的に住居だけではなく、コミュニティの紹介や学校の斡旋といったサポートを充実させたらどうかと考えました。⑤収益の流れとしては、入居者から一定額の会員費と入居費を回収し、外国人へのマーケティング情報を他企業に売買するという流れを考えました。⑥主なリソースは外国人向け住宅の建築、既存賃貸物件、⑦主な活動はコミュニティの活動支援、物件の特徴を詳細に伝達する、⑧主なパートナーは不動産管理会社、教育関連会社、⑨コスト構造は次に作成するCVCAで伝えることにしました。

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4、ビジネスのエコシステムをCVCAで書きあらわす
5、発表

CVCAとは、Customer Value Chain Analysis(顧客価値連鎖分析)の略です。お金やモノ、サービスの流れを図表化することで、コスト構造を明確化し、破綻しないかを検証していきました。

IMG_0053.jpg

上記を1チーム10分で発表してWSは終了となりました。

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次回までに自分が実行しなきゃと思ったこと。

短時間での企画としては、個人的には面白味のある提案ができたのではないかなぁと思っています。しかし、このビジネスを大手住宅メーカーがやる社会的意味があるのかと講師の浅野さんに問われたときに、確かに入居者の質が悪いとブランドイメージを損ないかねず、大手住宅メーカーがやるにはリスクが高いと感じました。

また、住宅メーカーの方に対して、外国人へのマーケティングは価値があるか突っ込んで質問することができたのですが、実際にどんな外国人をターゲットにしているのか、マーケティングする価値があるのかについてしっかりとヒアリングできておらず、この部分は浅い提案だったと感じています。まとめると、今回の企業が社会に対して提供する価値として貢献できる提案にまで昇華させることができなかったのは大きな課題だと思っています。

次回は、ビジネスのマッチングを感覚ではなく言語化し論理立てて設計できるように意識していきたいと思います。

渥美 勉
渥美 勉

Webディレクター

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