vol.01菱川拓郎さんコンクリートファイブジャパン株式会社 代表

コンテンツマーケティング全盛期にWordPressよりconcrete5を選ぶ理由

2017.02.13

ご縁探訪とは・・・

競争から共創の時代へ移りつつある昨今。バンクトゥも、日々、多くの職能や才能をもつ方々に支えられています。お仕事をともにしている人は、ふだん何を考え、これからどんなことをしたいと考えているのだろう?そんな疑問を抱いたことをきっかけに、バンクトゥにご縁のある方を取材してまわる企画をスタートしました。

記念すべき第一弾は、コンクリートファイブジャパン代表の菱川拓郎(ひしかわたくろう)さん。コンテンツの更新・運用が簡単に行えるCMS「concrete5(コンクリート・ファイブ)」のサポートと普及活動に取り組まれている、CMS界隈の有名人です。concrete5のメジャーバージョンアップが発表されたばかりのナイスなタイミングで、京都初となるconcrete5のMeet upイベント「第1回 京都 concrete5の日」が開催されると聞きつけ、お話を伺ってきました。

「concrete5」とは?
直感的に操作できるオープンソースのCMS。プログラミングの知識なしに、誰でも簡単かつ安全にコンテンツの編集ができる操作性が特徴。

ブラウザ上のメニューからドラッグ&ドロップのみで、レイアウトを入れ替えたり、動画やフォーム、地図などをすぐに表示することができる。concrete5の代名詞ともいえる機能のひとつ。

<話を聞いた人>
コンクリートファイブジャパン株式会社 代表 
菱川拓郎 さん
https://concrete5.co.jp/DPP___0011.JPG

大阪・神戸のWeb制作会社にてマークアップエンジニア、企画・開発ディレクターとして3年間勤務。2010年よりフリーランスとしてノットニル・クリエイティブを立ち上げ独立。企業のWeb戦略を改善するディレクション業務、オープンソースCMSの導入支援・開発業務を主に手がける。2012年よりコンクリートファイブジャパン株式会社を設立、代表取締役就任。オープンソースCMSのconcrete5を中心にしたビジネス環境の構築に取り組む。近著に『concrete5 公式活用ガイドブック』(マイナビ出版刊)。


「壁にぶつかったとき、出会ったのがconcrete5でした」

渥美:以前、菱川さんが書かれたWebの記事で経歴を拝見したのですが、Web業界に入ったきっかけが「音楽」だったという一文を目にしました。どんな経緯だったのか、詳しく教えていただけませんか?

菱川:もともとクラシック音楽をやっていて、大学でも研究をしていたんですよ。アルゴリズムで作曲するというブームがきて、メディアアートにハマっていきました。それを機にプログラミングを学んだのですが、HTMLもいじれるかなぁと思って、自分の音楽バンドの宣伝のためにホームページを制作したんです。それがWeb業界に入るきっかけですね。当時は、HTMLが書けるだけで採用されるほど、Web業界は人材不足でしたね。今じゃ考えられませんが。

渥美:CMSは、入社当時から触っていたんですか?

菱川:そうですね。最初は「Movable Type(以下MT)」の案件を多く扱っていました。その後、「WordPress(以下WP)」ブームがきて、2強時代がはじまりました。ずっとMTかWPで構築をしていたのですが、とある案件で壁にぶつかってしまって。そこで出会ったのが「concrete5(以下c5)」でした。

渥美:どんな壁だったんですか?

菱川:環境系の行政サイトを担当することになったんですが、さまざまな立場の人が更新作業をする必要があって、「Aさんはこの部分だけ変更・編集できる」といった細かな権限設定と、「それをBさんが承認する」といったワークフロー設定が必須だったんです。WPでも権限設定できるプラグインはありましたが、求められている細かさで実装するのが難しかった。実装しようとするとマルチサイトになるし、困っていました。そこで、最適なCMSを探していたところ、c5と出会いました。bankto_blog_work.jpgc5ではページやコンテンツごとに、細かく管理権限を設定することができる。複数のユーザーやグループでサイトを運用するときに、リアルの組織体制に近い承認フローをWeb上でも実現できる。

渥美:そこからc5に夢中になっていったんですか?

菱川:いえ。その行政サイトで導入した後、しばらくは軽い案件が多く、WPとMTを使っていました。当時のc5は登場したばかりでバージョンアップが繰り返されており、様子を見ていましたね。ただ、WPやMTで制作したサイトに対して不満はありました。納品したのは良いものの、ほとんど更新されないんですよね。ニュース欄がサイト公開時のまま、「サイトリニューアルしました!」で、1年経ってしまっているという。

渥美:Webサイトあるあるですね。ぼくも中小企業のサイトリニューアルを担当した際に、WPで構築したのですが、まったく同じ状態になってしまいました。更新方法もレクチャーし、カスタムフィールドで入力しやすいように、いろいろと工夫してはみたのですが、なかなか……。

ロフトワークさんの「MTRL KYOTO」で開催された「concrete5の日」。左右はconcete5に精通したエンジニアの榊さんと、Webデザイナーの松田さん。

菱川:そうなんですよね。そのうち更新しようと思ったまま止まってしまう。そんなとき、さきほど紹介した環境系の行政サイトを見たら、頻繁に更新されていて驚いたんです。この案件からは、本当にいろいろなことを教えてもらいましたね。バージョンアップのときはサポートに入るんですけど、それ以外はお客さん自身でどんどん触ってくれていて、5年経った今も更新が止まっていないんです。他のCMSと比較して、可能性をみたんですよね。

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草の根民主主義的に広がっていく、コンテンツファーストなCMS

菱川:そのあと、c5の関西ユーザーグループができたんですが、それがまたおもしろかった。とにかく参加者がおもしろ過ぎました。制作会社の人がほとんどいなくて、大半は一般の方だったんです。たとえば、メダカの飼育方法を紹介するサイトをc5で作っている人がいて、その人はボクシングジムを経営するかたわら、ジムのサイトも作っていました。話を聞くと、全然Webの知識がないところからスタートしたと言うんですね。

渥美:草の根といいますか、じつに民主主義的な発展の仕方ですね。

菱川:Webサイトという箱があってそれを埋めるのではなく、先にやりたいこと=「コンテンツ」がある人が、それを実現するためにCMSを活用する。その要望に応えてきたからこそ、発展してきた背景があると思います。事実、c5のユーザーグループには、自分のつくりたいサイトがあって、いろいろ探した結果、c5にたどり着いたという人が多かったんです。

渥美:制作会社が主導権を握った場合、作って公開したらハイ終わりというケースは少なくありませんよね。実際にWebサイトを運用する利用者の目線を欠いてしまうというか。

サイト公開後の「運用・改善」を担当することが多い弊社の渥美。数値を基にユーザーの行動を分析し、最適な体験に結びつけるためのUI提案が得意。

菱川:プロはついつい「ファーストビューに収まるようにしてください」とか言ってしまいますが、伝えたいものを伝えたい順番でとにかく出すという楽天メソッドのようなやり方を、誰に言われるわけでもなく一般の方が実践していて。さらに、ちゃんと成果も出ていたんですね。それがカルチャーショックでした。ユーザーの集うコミュニティに教えられた。それを契機に、どんどんのめり込んでいったんです。

渥美:その後「コンクリートファイブジャパン株式会社」が誕生しますが、どうして会社を設立することになったんでしょうか?

菱川:やっぱり、c5っていいなってずっと思ってはいたんですが、世の中的にはWPかMTの二択しかなかった……。当時、c5は全然知名度がなかったんです。受託という立場で考えると、MTはプロネット(全国約300社が加入するMTのパートナー制度)から仕事がくる。WPはWord Campとかで登壇して目立てば仕事がくる状態になっていましたが、口下手の人は仕事がなかったりもしました。そんななかで、c5もMTのプロネット的なものがないと仕事が生まれないのではないかと思い、c5の会社が必要だと感じたんです。

それを、c5のCEOであるFranz Marunaに伝えたんですよ。そしたら「俺らは日本の法人をやる気はないので、作りたいなら自分で作ってみたら」と言われてしまった。それなら作るか!と、そういう流れで設立することになりました。

渥美:会社を設立してからが大変だったのでは?WPが主流のなかで、風穴をあける苦労といいますか。

菱川:それが、あまり苦労してないんです。全国のコミュニティが盛り上がっていましたから。ようやく今年くらいからかなぁ、ぼくらの成果で普及に貢献しているのは。せっかく会社を立ち上げたので、それなりに目立つ事例をつくったりとか。あとは、c5の公式サイトのサーバー代くらいは出そうかなとか。本当にコミュニティの力で広がっていると思います。

渥美:c5の案件に共通する特徴とかはあるのでしょうか?

菱川:やはり、お客さんが更新を頑張っている案件が多いです。担当者が変わっても引き継いでくれていたりとか、前の担当者とワークフローをどうするのか細かく相談して決めていたりとか。最近導入したお客さんも喜んでくれています。丁度いま、これからどんなコンテンツを入れていこうかと、社内の各部署の方々と相談しています。うれしいのが、ヒアリングしていくと「あれもやりたい、これもやりたい」とコンテンツが出てくるんですよね。こんなコンテンツが社内にあったなんて!という声が出てくる。

渥美:自社のことは当たり前になってしまい、自身の価値に気づいていなかったりしますもんね。

菱川:そうなんですよね。「いや〜見つけちゃった。見つけちゃったからにはTOPページに出したい!」といったやりとりをしていますよ。今までだと、もうデザインが終わっているので無理なんですと言っていたのがc5であればすぐに出せるので、そこが全然違いますね。

渥美:Webリテラシーがない方でも、直感的にドラッグ&ドロップで操作できるc5ならではの強みですよね。

菱川:考えてみると、c5の自社サイトがその恩恵を一番受けているかもしれませんね。はじめはコンテンツがないなかで、継ぎ足し継ぎ足しで頑張っていましたから。コンテンツの質も大事ですが、出さないよりは出した方がマシだと思ってやっていたんです。さすがに最近は、コンテンツをリライトして質を高めていますが。あと、サイトの細かなブラッシュアップも。PHPはいじらずに、c5内でできることを中心にやっています。たとえば、TOPページのコンテンツの順番を変えてみたり。それを簡単にできるのがc5の良いところだし、だからこそ、お客さんもわざわざ選んでいると思います。ある意味、WP案件より大変なんです(笑)。

渥美:WPより大変なんですか?

菱川:そうなんですよ。WPは記事が投稿できる状態で手離れして、お客さんもそのうち記事を書こうかなと思っているうちに放置されることが多い。でもc5は全体的に触れるから、「あれもやりたい、これもやりたい」が出てくる。それに対して、弊社には常に提案が求められます。そういう意味でサポートが大変なのは事実ですね。Webサイトが生きているのは、うれしいことなのですが。

渥美:インテグレートパートナー制度は、その意味でも対応できる体制を整えることができますね。

菱川:各地域のコミュニティを充実させて、お客さんと制作側が顔を合わせてコミュニケーションを取ってもらうということが重要だと思っています。京都では翠灯舎さんがパートナーなので、ご相談を受けるお客さんが多いですね。c5は、コーディングして納品完了という考えではなくて、構築した後が勝負といいますか、作って終わりではないんですね。先ほど言ったように、お客さんがコンテンツをどんどん追加していきたくなる。だから、お客さんと長い付き合いになります。全国各地に顔を合わせて相談できるパートナーを増やしていきたいですね。

この日、インテグレートパートナーはもちろん、遠く静岡から訪れたconcrete5のエバンジェリストも参加。内輪感の出やすいコミュニティやMeet upのなかで、初心者でも参加しやすいオープンな空気があった。

渥美:サイト構築で終わらない、長いお付き合いになりやすいCMSと言っていいですかね?

菱川:そうですね。そういう背景もあって、弊社の仕事の内容も変わってきています。今はほとんど構築はしておらず、c5のコンサルティングやサポートがメイン。制作はお客さん側でやりますという案件が増えていますね。

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発祥の地、自由と多様性を愛するポートランドからの潮流

渥美:c5の発祥の地であり、全米で住みたい街NO,1にも選ばれたことがあるポートランドへ、実際に行かれたとお聞きしましたが、どうでしたか?

_DSC0020.JPGPortlandLabs社オフィスにて、concrete5の開発コアチームとコンクリートファイブジャパンのスタッフ。

菱川:自由な気風の街ですね。確実にその気風がc5に反映されていると思います。彼らは多様性を尊重した文化で、寛容性やゆるさがあるといいますか。カルチャーが京都と近い。京都と神戸を足して、5で割ったような感じです。

渥美:2ではなく、5ですか?

菱川:人口が圧倒的に少ないんですよ。40万人くらいです。たとえば、東京でc5のイベントをすると、制作会社から100人とか来るんですが、そうなると個々と向き合うことはできませんから、ある意味で多様性とはかけ離れてしまうんですよね。

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_DSC0030.JPG(左)concrete5の開発コアチームメンバーの子どもたちと公園で遊ぶ様子。(右)オフィスにあるビールサーバーで乾杯する菱川さん。

渥美:都市のスケールが、サービスのカルチャーにおいて影響を与えると。お話を伺うなかで、c5や菱川さんのスタンスからも多様性やオープンさをとても強く感じます。以前、参加させていただいたMAツール「Mautic」のMeet upでも感じたのですが、お互いのリソースを共有して、どんどん高め合っていこうという文化といいますか。

菱川:そうですね。気風としてポートランド市民が好きっていうのも、c5やコミュニティを続けている大きな理由のひとつですね。ポートランドの働き方も好きで、どんどん取り入れたいと思っています。たとえば、会社にビールサーバーがあって午後3時から呑めるんですよ。毎日飲み倒してきました(笑)。初日に行ったら、オフィスで乾杯からスタートなんです。育メンも多いですしね。ぼく自身も最近子どもが生まれ、彼らの働き方に共感しています。

渥美:向こうは、定時出社ですか?

菱川:全然オフィスに来ないんですよ。各自が家で作業している。今日は誰もオフィスにいないみたいな日もある。出社するのは、打ち合わせがあるときだけですね。

渥美:確かに、今はどこでも仕事ができますし、必要なときだけで十分かもしれませんね。

菱川:逆に、直接会っているからにはコミュニケーションに集中した方がいいので、ビール飲んでしまえ!みたいな感じですね。あれ、それじゃ仕事にならんだろう!っていう(笑)。

渥美:良い空気感ですね〜うらやましい。と言いつつ、弊社もかなり働き方は自由なんですよ。裁量労働制を取り入れていて、基準を満たせば、自分の好きな時間に好きな場所で働くことができます。話を戻しますが、「多様性」という意味では、c5の立ち位置は他のCMSより突出しておもしろいなと思っています。お客さんのスキルに依存せず、どんどんコンテンツを出していける。その自由度が素晴らしいなと。

菱川:c5が他のCMSと違うのは「安心感」だと思っています。コンテンツを出したくても、怖がってしまって出せない人も多い。「レイアウトが崩れてしまったらどうしよう」「ミスをして消えてしまったらどうしよう、壊れてしまったらどうしよう」とか。そこで大事なのがバージョン管理機能で、「ミスしても完全に戻せるので、とりあえずトライしてみましょうよ」と提案できる。「崩れない、消えない、壊れない」と言える。Webサイトのリテラシーが低い方にとって、これは大きいと思います。

渥美:それができると、サイト制作の流れも変わってきますよね。

菱川:そうですね。WPでサイトのロゴを変えたいと思った場合、結構難しいですよね。お客さんに説明するのも難しくて、「テーマからheader.phpに入って、そこを書き換えるんですよ」と言っても、なかなか……。

渥美:それ、分かります!ちょうど今、担当しているサイトのフッターにバナーが入っているんですけど。それを時期に応じて入れ替えたいという要望があって、同じようにfooter.phpに入って……みたいなことを説明しても難しい。「え、もっとサクッと入れ替えられるんじゃないの?」とお客さんは思っている。納品後に新たな要件を求められるケースが多いですよね。でも、お客さんの気持ちも分かるんです。コンテンツって、そうした細かな部分を更新したり、テストしたりしていくことが、本当に大事になってくる。なのでもっと気軽に、どんどん試してほしいと思うし、その意味でc5は、コンテンツファーストであり、ユーザーファーストなCMSであると思います。

DPP___0018.JPG

菱川:手間をかけて作っても、公開してみてから気が変わることも多い。それを受容できるのは大きいですよね。弊社にご相談にきていただくお客さんは、もっと手軽に触れるCMSを求めていることが多いです。実際にc5のデモンストレーションをして、GUIでサクサクと動かしているところを見てもらうと、とても喜んでもらえるんです。

渥美:Web業界にいる方でも、はじめてc5に触れたときの自由度には驚きますよね。「あ、こんな機能までGUIでできるのか」と。運用面だけではなく、サイト制作の流れも大きく変えるかと思います。

菱川:サイト制作でいうと、従来通りのウォーターホール型は、デザインしてOKをもらって、HTMLで組んでOKをもらって、それなのにできあがってきたらお客さんからNGがでることもあって。「あの時、OKって言ったじゃないですか」という事態が発生しますよね。ただある程度できあがっていないと、お客さんもイメージができないから、とりあえずでOKを出している場合が多いんですよね。極端に言えば、c5はデフォルトのテンプレートデザインでとりあえずコンテンツを入れて組んでみて、ちゃんとしたデザインは後から詰めましょうということもできる。制作工程においても、さまざまな試行錯誤できると思います。

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concrete5のバージョンアップと、コンクリートファイブジャパンが描くCMSの未来

渥美:c5はメジャーバージョンアップ(8.0)が大きなニュースになっていますが、ポイントとしてはどこが大きく改善したんですか?

菱川:目玉はエクスプレスというDBを簡単に作れる機能です。これは今までなかったツールなのでニュースバリューが大きいんですが、ほかにも細かい改善を積み重ねているので、そこも知ってほしいですね。とくに多言語対応が標準になって、インストール時に選べるようになりました。今まではインストール後に管理画面でONにする必要があったんですけど。あとは、特定のページやコンテンツを任意の時間に公開できるようになりました。コンテンツ単位で予約投稿ができる機能の要望は多かったですから、喜ばれると思います。

渥美:たとえば、1月1日0時に新しい記事を投稿するのはWPでもできるんですけど、 c5なら、TOPページのコンテンツをバージョンで管理し、AからBに変更することができますよね。これは本当に便利で、年末年始や年度替りのときに、作業時間を確保しなくて済むし、更新し忘れの防止にもなり、とてもありがたい機能です。このような新機能の追加や改善は、どのように決まるんですか?

菱川:大きな方針はアメリカ本社で決めますが、いろんな人が意見を出します。ケチョンケチョンにするんですよ。CEOのFranz Marunaが最初に方針を示すのですが、それに対して、全世界のコミュニティメンバーが口出しをする。それを何度も繰り返して、バージョンアップが決まっていくんです。そこがまたおもしろいんですよ。あそこまで言わなくてもいいのにって思うんですが、世界のコミュニティは正直なんでね。

渥美:c5らしいですね(笑)。

菱川:ポートランドで彼に会ったときも凹んでいて、「なんでこんなに言われなきゃいけないんだよ」って言ってました。とくに5.7へのバージョンアップのときは、コミュニティで議論し尽くしたんですよね。5.6とは別物というか、c5自体を作り直したんですよ。5.6で積み上がっていた問題を一気に解決しようとなって。

渥美:御社は情報発信も熱心だなと思います。「Ustream トーク番組 - 週刊 concrete5」を継続的にアップされていますよね。

菱川:情報発信という意味では、c5はGUIなのでブログ記事にしにくいという部分があります。「ここからこのアイコンをドラッグして」とかの説明になるので、動画で説明する方が分かりやすい。コミュニティのメンバーはエンジニアが多いのですが、エンジニアから見るとc5が一番優れたCMSであるという認識は共有できているかと思っています。ただ、デザイナーやディレクターに良さを分かってもらうのが大変なところなので、情報発信は活発にしていきたいですね。

菱川さん自身もエンジニアとして、concrete5のアドオンを数多く開発し、公式マーケットプレイスやGitHubで公開している。

渥美:最後に、これからのCMS界隈やc5の展望を教えてください。

菱川:今までのスタンスは、WPという一番有名なCMSがあって、それに対してc5もありますよという活動をしていました。ただ、これからの時代はCMSってものが本当に必要なのかが問われてくると思うんです。「アプリでいいじゃん」「それよりIoTだよ」という世界になっていく。そういったなかで、CMSを入れる価値がどこにあるのかをより俯瞰的に理解して伝えていかないといけないと思っています。自社としては、c5を制作会社だけでなく、コンテンツをもっている企業や組織にうまく使ってもらえるようにしたいです。「WPよりc5がいいですよ」ということではなく、CMS自体をお客さんが活用できるように支援していきたいという展望があります。実現に向けていろいろと作るものがあるので、エンジニアを絶賛募集中です!勝負の年になるので、がんばりますよ!

渥美:この冬は、弊社にとってもc5を活用した大きなプロジェクトが動きます。菱川さんのような方がいてくださって心強いです。本日はどうもありがとうございました。

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編集後記

コンテンツマーケティング全盛期の今、キュレーションサイトを発端としたさまざまな問題が顕在化しています。Web経由で発信する情報の信憑性が揺らぐなか、当たり前のことですが、責任をもってコンテンツを発信していくことが信頼回復への第一歩だと思います。

菱川さんにお話をお伺いするなかで、c5はクライアント自身が発信しやすいCMSだと改めて感じました。クライアント自身が責任を持って発信するコンテンツが今まで以上に増えていくように、弊社でもc5の導入を積極的に提案していきたいです。ちなみに、リニューアルしたばかりの弊社のサイトもc5で構築しています。

菱川さんから1人2個食べるようにノルマをかせられたミカン。おいしくいただきました。ご馳走さまです!

渥美 勉
渥美 勉

Webディレクター

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