株式会社コトコト京都の路地裏図鑑―上ル下ル東入西入、路地入ル。

BOOKプレビュー

京都は碁盤の目の街を縫うように路地がひしめき、その数、約13000本ともいわれている。”裏道”で出会える隠れ家的なお店や、京都の知られざる街の歴史や人々の暮らしを紹介。長年に渡って路地を歩いてきたオタクが送る、ガイド本にはのらない京都の隠された道を解き明かす一冊。

業界・業種 観光・歴史
プロジェクト期間 2012年10月〜2013年3月(2013年3月発行)
判型(コード) 体裁 書籍/B6版/128頁 オールカラー
ソリューション ターゲット分析/デザイン・ブランド比較/コンテンツ企画/アートディレクション/デザインコンセプト設計/ビジュアルデザイン/コピーライティング・取材/写真撮影・制作/プロジェクト管理/印刷・入稿代行
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課題

京都は世界有数の観光都市ゆえに、年間数え切れないほどの観光ガイド本が発行されています。あらゆる企画やテーマが掘り尽くされ、どこかで見たことあるような京都情報に、読者が食傷気味になっていることは否めません。とくに京都本の購入者の5割〜6割が地元の京都人といわれ、目利きのある消費者に、どのような切り口であれば、手を伸ばしてもらえのるか、という課題がありました。
また一方で、スマートフォンが普及し、屋外でのネット利用がストレスフリーに。観光やグルメサイトの利便性が一層高まり、出版社としてはいかに紙の書籍に付加価値をもたせるのか、という課題もありました。

解決までのアプローチ

本書の発端は、代表の光川が企画・編集を手掛けた、らくたび文庫シリーズ『京の路地裏案内』のヒットを受けて企画されました。リピーターの多い京都ファンのために、路地裏の隠れ家を一冊にまとめた同書は、一見マニアックな企画ですが、3刷りを重ねるほどの評判に。その後、数多くのメディアが路地に注目し、京都路地ブームの火付け役として一端を担いました。

その続編ともいえるのが本書です。上記の課題から、ガイドブックとしてお店情報などのリサーチを徹底しながらも、文化的・歴史的側面から路地の魅力を深掘り。消費型の観光コンテンツだけではなく、読み物として重層的に情報を充実させることで、グルメサイトが得意とする検索ベースでの情報摂取と差異化を図りました。

たとえば、俯瞰(地図)で見るとユニークなカタチをしている路地を物件紹介のように平面図で見せる「路地裏の間取り図」や、野良猫を追いかけて冒険する「猫の路地裏案内」など、視点を変えたライトなコラムを制作。さらに、マンガ家から小説家に一般の方まで路地を語る”ことば”を集めた「路地の名言集」や、荒廃していた裏通りを地元の人たちの努力によって復活にいたる「路地裏再生物語」など、多元的に路地の魅力を伝える手法を取り入れました。

また、お店情報に関しても疎かにせず、取材期間中、スタッフ全員で京都市内の主要な通りを一筋ずつリサーチ。目についた路地に片っ端からお邪魔し、その奥にあるお店の下見調査を行いました。リサーチの情報を基にして、「これは今、紹介しなければならない」と感じた路地やお店をピックアップしています。

紹介する路地は可能な限り実地データをとり、路地の奥行き(長さ)、入口の幅、そして路地の形状を明記。系統的に理解できる「図鑑」としての要素も取り入れました。

本の体裁についても、色や風合いの異なる4種の紙をカテゴリごとに使い分け、モノとして所有欲が高まる工夫を施しています。 書籍の初版発行部数は、通常2,000〜3,000部といわれるなか、初版10,000部を発行。京都・東京を中心とした各地の書店に並べられ、好評をいただいています。

目利きの優れたAmazonのトップレビュアーにも高評価を得ており、個人のブログ等でも多数ご紹介いただきました。また、ユニークなレイアウトのデザインを紹介する業界紙にも掲載いただき、ビジュアル面での評価を得ることができたと感じています。 また、この冊子をきっかけに、NHKや在京キー局、新聞社などから京都の路地に関する情報の提供や、ロケ地のアドバイスを求められる機会が増えました。

現在、京都市では「路地の魅力再発見プロジェクト」が行われていますが、長く路地の魅力について情報発信を重ねてきた弊社にとって、このたび微力ながら地域社会のデザインに貢献できたように思います。

京都の路地裏図鑑_レイアウト1
京都の路地裏図鑑_レイアウト2
京都の路地裏図鑑_レイアウト3
京都の路地裏図鑑_レイアウト4
京都の路地裏図鑑_レイアウト5

プロジェクトチームのご紹介

競争から共創へ。
弊社では、クライアントと受託会社、制作会社と
外部パートナーといった垣根を越え、
プロジェクトごとに最適なチームを編成しています。


制作チーム

光川 貴浩
光川 貴浩代表/編集者

弊社の創設メンバーで、市内を歩きまわって作った渾身の一冊です。この本を契機に、さらに路地裏めぐりライフワーク化が加速。観光的な捉え方ではなく、路上観察学的な視点から、また防災的な観点から、路地という空間に興味をもちだしました。まだまだ路地ネタは山ほどありますので、今後もリサーチ&情報発信に努めたいと思います!

松田 寛志
松田 寛志副代表/編集者

京都市内を北から南、西から東へ。自転車・徒歩で巡っては路地を見つけて写真を撮る。そして奥にお店などがないか、どんな路地かを確認する。時にはファンタジーな名前ながらも情緒ある通り「天使突抜」をはじまりから終わりまで歩いたこともありました。 取材中はメジャー片手に路地の長さを測ったりするなど、普通の取材では絶対にしないことをやった、思い出深い一冊です。冊子中にある「猫の路地裏案内」では、路地裏を歩く猫の後ろ姿を撮るために、カメラマンとともに歩く野良猫の後ろを何回もストーキングしました。不審者そのものですね。


外部パートナー

HON DESIGN 北尾 崇 デザイナー

紙面デザイン


クライアント

株式会社コトコトhttp://www.koto-koto.co.jp/

Other Works

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