京都国際現代芸術祭組織委員会事務局PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭 本サイト

http://www.parasophia.jp/2015/

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2015年に京都ではじめて開催された大規模な現代芸術の国際展「PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭」。世界各地で興味深い制作を続けている約40組の芸術家の作品を集め、京都市内の複数の会場で開催されました。Webサイトは同芸術祭の広報の一端を担い、アーティストやイベント情報発信、活動報告や広報物の集積場所としての役割を担いました。

業界・業種 芸術・文化
プロジェクト期間 2012年2月〜2015年10月
対応デバイス PC/スマホレスポンシブ
CMS WordPress
ソリューション 情報設計/コンテンツ企画/システム要件定義/アートディレクション/デザインコンセプト設計/ビジュアルデザイン/HTML・CSSコーディング/コピーライティング・取材/映像撮影ディレクション/プロジェクト管理/運用更新マニュアル作成
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課題

全国で数多くの芸術祭が行われ、日本は一種のアートフェス・ブームのような状況にあります。もともと芸術文化が豊かな京都で、いま芸術祭を開催する意味がどこにあるのか。町興し的な国際展や世界のメジャーな国際展の流れとも異なった、ある程度の知名度をもつ京都だからこそできる、既成概念にとらわれない芸術のプラットフォームを未来に根付かせていきたい。そういう思いが、アーティスティック・ディレクターの河本信治さんや事務局の方々にありました。

背景には、京都経済同友会の代表幹事である長谷幹雄氏が、ヴェニスの建築展を訪れたことに端を発しており、一過性のイベントではなく、2年に一度の展覧会を機会に、街全体が思考の装置になっているのを見て、京都もこうありたいと願ったことにあります。

観光で栄えるこの京都において、先人たちがつくった歴史や伝統文化に甘んじず、自分たちの時代に、何かを残していくことはできないか。そういった危機感と思考の元、未来の文化や生産の場を京都に定着させていくという目的意識がありました。

そのため、事務局は展覧会そのものを「通過点である」と位置づけ、Webサイトでは、会期に関する広報活動だけではなく、2年にわたるその準備期間のプロセスや、展覧会以降を見据えた活動の総体としての「PARASOPHIA(パラソフィア)」をどう発信していくかということを求められました。

解決までのアプローチ

展覧会の開催前、開催期間、開催後の3つのタームに分け、それぞれの期間に求められる機能に合わせて、計3つのWebサイトを制作し、最終的に1つのサイトとして結合しました。

■ 開催前 特設サイト(公開:2013年5月)
2015年春に開催される本展までに、約2年間の準備期間がありました。その間の主な活動のひとつが、月に一度ほど行われた「オープンリサーチプログラム」というイベント。同芸術祭の調査研究のプロセスを広く一般に公開し、共有するためのもので、京都を訪れる参加作家によるリサーチ内容やレクチャーなどを発表するための場として機能していました。 単なる作品の展示だけではなく、芸術祭のプロセスを広く定着させていくという考えにおいて、PARASOPHIAという活動を象徴するような性格をもつプログラムでした。 そのため、期待感を煽ることを目的としたティザーサイトではなく、こうした緻密な活動の積み重ねを記録できるものしたいと考え、プログラムが回を重ねるごとに、建築的に、重層的に、拡張していくことを楽しめるWebサイトをめざしました。また、これから未来に息づくものとして、生命体の新生を表す「呼吸」のようなモーションを取り入れました。 また、本サイト公開後も役目を終えるのではなく、一部デザインをカスタマイズし、「記録」ページというかたちで、活動を振り返れるようにしました。

■ 開催期間 本サイト(公開:2014年10月)
本展を5ヵ月後に控えた2014年10月、開催期間における情報発信の機能を軸とした本サイトを公開しました。 PARASOPHIAの参加作家数は約40人。昨今、国際展が100名、200名規模の作家を招集するのに比べると少なめですが、各作家に十分な展示スペースを確保し、きちんと顔を合わせてケアできる適正数を大切にされていました。この考えは、Webサイトの設計にも少なからず反映され、電子書籍「Parasophia Chronicle」や動画公開、さらに作家のリサーチやレクチャーを丁寧にアーカイブできる余白を残しながら、構築するに至りました。 アーティストやイベント情報の検索機能やソート機能を充実させる一方で、過度に「わかりやすさ」をもつコンテンツの制作は最小限にとどめ、芸術や文化がもつ多元的なものの見方・捉え方ができるよう努めました。これには、わからないことを面白いと思えたり、誤読も含めて自分の力で読み替えたりできる余白を残したいという事務局側の思いがありました。 また、作家や作品を裏方で支えるスタッフやボランティア、さらに経済同友会をはじめとした支援者へのインタビュー記事「Our Parasophia」を掲載。あくまでも展覧会を「通過点」として捉え、地元の関係者が自分自身の経験を積み上げながら、次の展開を考えて継続していける人材や空気を残したいという、大きな課題に対してのアプローチでした。

■ 開催後 アーカイブサイト(公開:2015年10月)
本展終了後の2015年10月、2012年の構想段階から閉幕時までの一連の活動を時系列化したアーカイブサイトを公開しました。 目指したのは、展覧会だけではなく、すべてのプログラムやそれに付随する人材や経験を成果物として捉え、内外の人がPARASOPHIAの軌跡を辿り、かつ共有知として思考や芸術文化の資産として残るWebサイト。 事務局が解散して以降、5年・10年を経ても、なるべくサイトの表示を保つことができるようにしたいというご要望を受け、動的なCMSから静的なサイトへ移行。外部要因の影響を極力排除するかたちで、保存性を高めるための改修を行いました。 また、アーカイブサイトの制作とともに、これまで運用してきた特設サイトや本サイトの整理・格納作業も実施。足掛け約2年半にわたるプロジェクトの文脈を有機的に繋ぐことで、課題へのアプローチを行いました。

成果

会期中は100万PVを超えるアクセスを記録し、広報面で成果を果たせたと考えています。また、展覧会から約2年が経とうとしている現在(2017年2月)も、大きなトラブルもなくサイトが継続して保存されていること。そして、たいへん多くの方が閉幕後にも、サイトにアクセスしてくださっていること。

プロジェクトチームのご紹介

競争から共創へ。
弊社では、クライアントと受託会社、制作会社と
外部パートナーといった垣根を越え、
プロジェクトごとに最適なチームを編成しています。


制作チーム

光川 貴浩
光川 貴浩代表/編集者

全国各地で行われている芸術祭を眺めると、行政主導で大きな予算がつき、広く名の知られたキュレーターやデザイナーを一時的に招いて、システマティックに完成物の精度を高める手法が目立ちます。そんな潮流のなかで、京都の民間企業が声を挙げて少数精鋭でスタートし、キュレーターチームから制作スタッフまで、地元の関係者を中心に構成された本プロジェクト。次の展開を見据えて、地域に根ざすこと、人材を育てることも視野に入れた河本さんの既成概念にとらわれないやり方に感動しました。


外部パートナー

吉田 健人(prigraphics)

デザイン

勤息 義隆(so design)

コーディング

株式会社シーズ

コーディング/CMS構築

勤息 義隆(so design)

コーディング


クライアント

京都国際現代芸術祭組織委員会事務局

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